プロが教える「おうち英語」のススメ。部屋の外に出て英語で散歩を楽しもう!

英語圏ではない環境で英語力をつけるためには、少しずつでもいいので毎日、英語を使うことが重要です。それには、身近にいる家族が楽しそうに英語に親しむ様子を見せて、「英語は楽しい!」ということを伝えることです。

発音に関しては、プロの英語講師やYouTube、CDを見聞きすることで充分フォローできるので、とにかく気軽に日常生活に英語を取り入れてみましょう。

今回は、「英語を」学ぶではなく、「英語で」学ぶ「おうち英語」です。世界の英語のクラスで用いられている内容重視のレッスン方法(CBI:Content Based Instructionや、CLIL:Content and Language Integrated Instruction)を意識した「テーマ別」レッスンを紹介します。

テーマは「お散歩」。お散歩関連の英語を覚えていく方法を「おうち英語」で実践しやすいようにアレンジしました。

1.まずは気分を盛り上げる!歌や絵本で、「英語でお散歩」に親しむ

今回の「おうち英語」のテーマは「お散歩」ですが、取り組みは、家を出る前から始まります。まずは、散歩に親しむために、おうちで散歩に関する動画を見たり、絵本を読んだりしてみましょう。

動画は、この歌がおすすめです。BBCが所有するイギリスの無料テレビネットワークCBeebiesの番組で放映された歌の1つで、タイトルは、そのものずばり 『The Take a Walk Song』。散歩に欠かせない表現 “take a walk”(散歩にいく) や“Let’s take a walk.”(散歩に行こうよ)が繰り返し出てくる曲です。歌の中では雨や雪が降ったり、風が吹いたり、環境がどんどん変わってきますが「そんな変化も楽しもう」という気持ちが自然に感じられる曲です。

絵本のおすすめは『Rosie’s Walk』。『ロージーのおさんぽ』という日本語訳の絵本も出ており、長年愛され続けているロングセラーです。めんどりのロージーとそれを追いかけるキツネに降りかかる災難のお話で、大人も思わずクスッと笑ってしまう展開なので、子どもと一緒に楽しく読めます。

 

【この歌もおすすめ!】

散歩でおこなう動作が出てくるこちらの歌もおすすめです。公園を歩く時に一緒に歌って動けば、楽しみながら動作をあらわす言葉を覚えられます!

動画や絵本で、英語でお散歩のイメージが膨らんだら、さっそく親子で散歩に出かけましょう。散歩にでかける際には、ぜひ英語で“Let’s take a walk!”(散歩にでかけよう!)と、声をかけてみてください!すぐに意味が伝わらない場合は、ジェスチャーを付けるなどして、繰り返してみましょう。

親:Let’s take a walk!
子:え?なんて言ったの?
親:Let’s take a walk! Walk, OK?(歩く身ぶりを加えながら)
子:OK!
親:Walk!(一緒にジェスチャーするよう促す)

おうち英語TIP①「本や動画のタイミングは、いつでもどこでもOK!」

散歩をテーマに英語のやり取りをするなら、散歩に出る直前に絵本や動画に取り組まなければいけないと、気負ってしまう方もいるかもしれませんが、この「親しむ」のステップは、子どもの様子を見ながらやれそうな時にやる程度に、気軽に取り組むのがおすすめです。ちょっとした空き時間の気分転換として一緒に動画を見たり、寝る前の絵本タイムに絵本『Rosie’s Walk』を読んだりするだけでも大丈夫です。

2. 散歩しながら楽しく英語を覚えよう!「マイ単語カード」を作る

散歩に行く前に、家の近所でよく見かけるものを5~10個ピックアップし、絵を描いてオリジナルの「マイ単語カード」を作りましょう。お絵かきは子ども自身で取り組んでも、保護者が描いても、子どもと保護者が一緒に描いてもOKです。

散歩に行く前に、親子で単語の練習をする時に使い勝手が良いように、少し厚めの紙を適当な大きさにカットして準備しましょう。できれば一緒に英語も書いておくと、あとで読み方を覚える際に使えるので便利です。

散歩前に親子で覚えるのにおすすめの単語は下記の通りです。
tree
sky
sun
bird
flower
park
car
cat
dog

「マイカード」が準備できたら、親子で単語と英語のやり取りの練習をします。カードを見せながら‟What’s this?”(これは何?)と、お散歩中の英語のやり取りで使いたい単語やフレーズを聞いたり言ったりする練習をします。

親:What’s this?
子:It’s ~.(単語だけでもよい)
親:That’s right!

おうち英語TIP②「単語カード」は、気楽に楽しみながら増やしていこう!

オリジナルで作る英語の単語カードはいろんなアレンジができます。色や形を覚えたい時は色紙を使ったり、ハサミで切って形そのものを作ったり。動物や虫を覚えたい時は覚えたい動物や虫の絵を描いたり、切り抜きを使ってコラージュしたりといった調子で、カード作りを楽しみながら増やしていくと良いでしょう。続けていくと、オリジナルの単語集ができあがります!

【絵を描くことに抵抗がある場合は、無料カードをプリントアウトしましょう!】

子どもが絵を描いたり、クラフト作業が好きでない場合は、絵カードを無料でダウンロードを利用してみてはいかがでしょうか。子どもに合ったものを選んで、単語カード作りを楽しんでみてください。

絵カードを無料でプリントできるサイト:https://happylilac.net/card-an.html

3. “Let’s take a walk!”いっしょに散歩に出かけよう!

単語カードの準備ができたら、それを持って親子でお散歩に出かけましょう! まず家の前で単語を確認。ただ確認するだけだと面白みがないので「今日のmission(ミッション=使命)は、このカードのものを探すことだよ」と子どもに伝え、宝探しのようにすると盛り上がります。

お散歩中に使える表現として、探している物を見つけた時、その場所を指さし、このフレーズを言うように伝えましょう。

I found it!”(アイ ファウンディット!=見つけたよ!)

これを繰り返すうちに、あっという間にこのフレーズが身につくはずです。

子:I found it!
親:What is it?
子:It’s~.
親:That’s right!

おうち英語TIP③「おうちでお散歩のふり返りができたら完ペキ!」

英語を覚えるには、繰り返しが大事です。帰り道や帰宅後に「今日、何を見つけたかな?」と聞きながら、英語で見つけたものを復習すると、言葉がしっかりと定着していきます。また、覚えにくそうな言葉があったら、忘れたころに子どもにクイズを出すのもおすすめの方法です。

【“I found it!”が難しかったら“Here!”を使ってみよう】

“I found it!”という言葉は、つなげて発音するので、言いにくさを感じる子どももいます。そんな時は、見つけた場所を指さして“Here!”(これだよ/ここだよ)という言葉を言うように、教えましょう。

まとめ

「英語を勉強する」だけでなく、英語圏の子ども達のように「英語で〇〇する」経験は、第二言語取得理論に基づく指導法的にも、子どもの英語力を育むのに効果的がある方法です。「英語でお散歩」と聞くと、難しいイメージを受けるかもしれませんが、実際には普段の散歩に英語の歌や絵本、カードを加えるだけで実践できます。散歩中もずっと英語で話しかけるわけではないので、決してハードルは高くありません。

今回お伝えした内容と手順をその通りに実践するのは難しいと感じる場合は、英語の絵本の読み聞かせから始めよう、オリジナルカードを作りだけやろうかな、という風に、子どもの様子を見ながら一部だけ取り入れて進めてみるのもおすすめです。英語学習はとにかく継続が大切なので、親子で楽しく続けられる範囲で実践してみてください!

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曽我美穂

英語講師・ライター。大学在学中にニュージーランドの大学に交換留学。英語で授業を受け単位を取得。卒業後は英語学校の広報としてバイリンガルな環境で7年間働く。2013年に英語教室RAINBOWを開設。これまでに未就園児から大人まで70人以上を指導。TOEIC965点。二児の母。